てのひらの あな|見ているだけで、手のひらに穴があく錯覚

スマホを持ったまま、画面を見ていてください。
手のひらの まんなかに——あなが あきます。

これは医療ではなく、体感を通したセルフケアの試みです。所要は約1分。
画面の動きで気分が悪くなりやすい方はご注意ください。

まず、体験してみてください

説明を読む前に、先に体験するのをおすすめします。
知ってしまうと、起きにくくなることがあるからです。

画面のむこうがわに、手のひらがある

いま、あなたはスマホをどちらかの手で持っています。
親指は画面の手前。4本の指は、反対がわのふちに引っかかっている。

その手のひらは、画面のちょうど裏側にあります。
見えていないのに、たしかに、そこにある。

前作「てのひらの おきゃくさま」では、そこに小さなお客さまが乗りました。
今回は、その手のひら自体が変形します。

あなが あく

まんなかが、すこしずつ、くぼんでいきます。
やがて、ふちに光が当たり——あなが、あきます。

奥に向かって、なにかが吸い込まれていく。
見ているだけなのに、手のひらの中心がすうっと引かれる感じがしませんか。

これは「身体所有感」と「触覚の予測」が同時に働くときに起きます。
脳は、目で見た変形を、そのまま自分の身体に起きたこととして扱いはじめる。

かたちが ゆがむ

後半では、手のひら全体が伸びて、ねじれます。

実際のあなたの手は、なにも変わっていません。
けれど、脳の中にある「手の地図」のほうが歪みます。

私たちが「自分の手の形」だと思っているものは、
骨や皮膚の形ではなく、脳が持っている一枚の地図です。
その地図は、思っているよりずっと簡単に、書き換わります。

なぜ、はっきり描かないのか

この作品の手は、わざと薄く、見えにくく描いてあります。
輪郭線もありません。あるのは、指のあいだの闇と、かすかな起伏だけ。

くっきり描かれた手は、どうしても誰か他人の手になってしまうからです。
肌の色、爪のかたち、大きさ——そのひとつひとつが
「これは自分の手ではない」という判定を生みます。

薄い手には、矛盾する情報がありません。
だから、あなたの脳が足りない部分を補い、そこに自分の手を重ねられる。

補っているのは、あなた自身です。
この体験は、見ているだけのようでいて、半分はあなたがつくっています。

この手のひらは、まだ続きます

「あな」のあとに作った続編も、同じように直接ひらけます。
どれもスマホを持ったまま、画面いっぱいでご覧ください。
順番どおりでなくてかまいません。気になったところから、どうぞ。


1
てのひらの あと
強く吸い込まれて、閉じたあと。なにも起きていない10秒に、なにかが残る

▶


2
てのひらから、あふれる
吸い込むのではなく、まんなかがふくらんで外へあふれ出す(あなの逆)

▶


3
てのひらから、手が出てくる
あなが広がり、その奥から手がやってくる。最後にぴったり重なります

▶


4
てのひらが、破れる
いちど閉じて手が戻ったあと、画面ぜんたいが上下に裂けて開きます

▶


5
てのひらが、まるめられる
画面が新聞紙のようにぐしゃぐしゃに丸められ、ひろげると——もとどおり

▶


6
せかいが、ずれる
画面ごと、ずるっと滑り落ちる。見えている手と感じている手が、別の場所に

▶


7
ゆびが、とんでいく
指が一本ずつ飛んでいって、留守になる。それでも、ひっかかっている感じは残る

▶


8
てのひらの、りんかく
穴から自分のかたちがあふれ出し、画面を越えて通り抜け、また戻って収まります

▶


9
りんかくが、蒸発する
自分のかたちが手のひらへ吸い込まれ、さいごのひとつが光を放って消えます

▶


10
いろが、うつる
持っている指が1本ずつ色づき、背中へ移り、やがて色が抜けていきます

▶


11
いれこの、あな
いま見ている画面ごと穴に落ち、うしろから「スマホを持つ自分」が何重にも現れます

▶


12
てのひらに、おちていく
上と同じ入れ子を、自分の手は残したまま外から眺める版

▶


13
りんかくが、きえる
入れ子が止まったあと、頭頂から分かれた光が輪郭をなぞり、肩も腕も溶けて消えます

▶


14
りんかくが、ほどける
約25秒。画面が縮んで輪郭が現れ、光が体と指を交互になぞってほどきます

▶


15
りんかくが、ゆるむ
輪郭が締まって、ゆるむ。指の輪郭も同じ呼吸で動きます。肩・腕・全身と3回

▶


16
てのひらに、いろづく
落ちていく自分のかたちに、ひとつおきに色が差して、すぐ引きます

▶


17
てのひらから、でてくる
これまでと逆まわし。手のひらのあなから、自分のかたちが湧き出して膨らんできます

▶


18
ゆびを、なぞる
小指の下がわから親指まで、光が指を一本ずつ一周します。最後に、なにかが指の上を歩きます(片手・両手を選べます)

▶


19
りょうてを、なぞる(横持ち)
スマホを横にして両手で。ベゼルに添えた指の輪郭を光がなぞり、最後に輪郭が締まってゆるみます

▶


20
ゆびが、うごく
指は一ミリも動きません。中の明るさだけが流れて、それでも動いて見えます(片手・両手を選べます)

▶


21
ゆびが、うごく(横持ち)
横にして両手で。ベゼルに添えた指が、動かないのに動いて見えます

▶


22
ひかりが、のぼる(横持ち)
コピー機のように、一列の光が下から上へ。指は動かないのに、影だけが指をまたいでいきます

▶


23
かげが、うごく
指は一ミリも動きません。動くのは影だけ。光が下から上へ、そして真ん中から輪が広がります(片手・両手)

▶


24
かげだけが、うごく
光は見えません。影だけが動きます。指は動いて見えますか(片手・両手)

▶


25
かげが、うごく(横持ち)
横にして両手で。光あり版と、光なし版(
こちら)
▶


26
トンネルを、くぐる
光の輪がこちらへ来て、指の影が外から内へ返ります。光が通りすぎると、自分の背中の影が真ん中に映り、光が遠ざかるほど小さくなります。8秒ごとに6回(片手・両手)。光なし版は
こちら
▶


27
トンネルを、くぐる(横持ち)
横にして両手で。光なし版は
こちら
▶

4と5では、手のほうは一度も変形していません。
裂けたのも、丸められたのも、手を映している「画面のほう」です。
それでも手のひらに感じが残るとしたら——
あなたの脳は、その画面をすでに自分の身体の一部として扱っていた、ということになります。

もういちど

反対の手で持ち直して、もう一度やってみてください。
利き手とそうでない手で、感じ方が変わることがあります。

量子認知身体療法 — からだの錯覚ライブラリ

コメント

タイトルとURLをコピーしました